スピンドルストンの醜い龍:イングランド

ある日、バンバラ城の王様が新しい后を連れて戻ってきました。城の者たちはみんな喜んで出迎えましたが、一人の騎士が、「王女様の方が美しく徳を備えた方だと思う」と言うのを小耳に挟み、新しい后を嫉妬し、王女を魔法で醜い龍の姿に変えてしまいました。


◆その美しさを嫉妬された王女は醜い龍に姿を変えられてしまいます◆

「私は王女を醜い龍のようにして、岩の周りに巻きつかせてやろう。チャイルド・ワインド(王の息子)が戻ってくるまでは、二度と元には戻れない」と言いました。

龍に姿を変えられた王女は、毒気のある息を吐き周囲には草も生えないほどでした。スピンドルストンの断崖に住む龍が国を荒らしているという噂は海の向こうに住むチャイルド・ワインドの耳にまで届きました。

この龍が自分の妹かもしれないと心を痛めた彼は部下を集め、船でスピンドルストンへ向かいました。新しい后は、そうはさせじと魔女に命じて船を沈めさせようとしましたが、呪文は効かず、兵を送っても追い返されるだけでした。

船が陸に近づくと、あの龍がやって来ました。チャイルド・ワインドは剣を抜いて頭の上におき、龍が自分を傷つけたら龍をたたき殺すと誓いを立てました。

これを龍は言います。「剣を置き、私にキスを三回してください。日没までに戻らないと、私は二度と元の姿に戻れません」 彼は剣を置き、龍にキスをしました。すると龍は洞窟に入り、出てきたときには女の姿に戻っていました。

王様は、息子がいなくなり、娘が龍の姿になっていたのを嘆いていましたが、二人が元通りに帰ってくるのを見て大喜びしました。新しい后は自分がチャイルド・ワインドに及ばないことを知り、恐れをなしました。

チャイルド・ワインドは新しい后に向かって、「お前をカエルの姿に変えて、地面を這いまわせてやる。そして決してもとの姿には戻れない、この世の最後を迎えるまでは」と言い、彼女を醜いヒキガエルに変えてしまいました。