宝の豚と龍王:中国

昔、ある湖のほとりに貧しい母と息子が住んでいました。豚を一匹買っていましたが、いくら餌をやっても大きくならず、困り果てた親子は、この豚を売りに出し、そのお金で新しい豚を買おうと考えました。


◆湖の底には豚が嫌いな龍王が棲んでいて…◆

そんなある日のこと、息子が山で薪を切っていると、見知らぬ男がやってきて、湖のほとりに育ちの悪い豚がいるだろうと聞いてきました。息子は不思議に思って、何故知っているのかと聞きました。

二人が言うには、それは宝の豚で、はるばる湖の対岸から探しにやってきたというのでした。息子は急いで家に帰り、母親に事情を話し、豚は決して売るまいと決めました。

親子はこの豚が宝物であることがわかったものの、一体どんな価値があるのかは皆目検討がつきませんでした。とにかく大切に育てることにしました。

あるとき、息子が豚をつれて湖のほとりに行くと、豚は勝手に湖の中に入っていきました。すると突然、湖の水がぐつぐつと沸き立ち、湖底の水晶宮がぐらぐら揺れて、龍王が飛び出してきました。

そして息子に向かって、「欲しいものは何でもやるから、決して豚を湖に入れないでくれ。さもないとわしは命がもたない」と言った。そこで息子が食料を望むと、龍王は大きな茶壷を与えました。

この壷は不思議な壷で、食べたいものを心に思い描くと、壷がその食べ物に変わるのです。親子は大喜びで、その後も豚を使い龍王から家、馬、美しい嫁を手に入れ豊かに暮らすことができました。