バイヨルの騎士の龍退治:フランス

十九世紀初めごろに採集されたノルマンディ地方の伝説は、この土地をヴィルディウ・レ・バイヨルの龍から開放した騎士の献身のお話です。


◆バイヨル家の血を引く一人の騎士が龍を退治しようと決心します◆

村を見下ろす水晶の大岩の中ほどの裂け目が洞窟の入り口になっていました。その洞窟には巨大な龍が潜んでいて、長い間その地方一帯で恐れられていました。

人々はその年の小麦の初穂を差し出し、一番上等な牛乳を差し出して龍の怒りを静めてきました。それでもある時期にはもっと別の捧げ物を要求してきました。

すると人々は、一人の乙女を龍に引き渡さなければなりませんでした。龍は乙女を巣窟に連れ込みむさぼり食うのでした。すると谷は水であふれ、龍は谷の上を、後ろに長い火の筋を残しながら飛び回りました。

スコットランドを支配したバイヨル家の血を引く一人の騎士が、龍からその地方を解放しようと決心しました。騎士をも馬も、全身を守ってくれるブリキ製の甲冑に身を包み、洞窟へ歩みを進めました。

その騎士が勇敢に川を泳いでいるところを龍が見つけ、猛然と飛びかかってきました。騎士は何とか攻撃に耐えて、剣を抜き、激しく斬りつけました。

しかし、龍が火を猛烈な勢いで吐き続けるので、騎士は息が詰まってしまいました。そして、騎士の馬がくるりと後ろを向いたので、ブリキで覆われていなかった尻尾の怪我一瞬のうちに燃え上がってしまい、馬も騎士も焼き尽くされてしまいました。

手負いの龍も彼らの亡骸の上で息絶えました。村人たちは彼らの救い主の名(レ・バイヨル)を村の名の後ろに加えて、ヴィルディウ・レ・バイヨルとしました。