金豆の花が咲く頃に:中国

則天武后が皇帝になり、国号を周を改めた頃の話です。この国号変更に立腹した玉皇大帝は、太白金星に命じて四海の龍王に三年間は雨を降らせないように命令しました。


◆命令に背いて雨を降らせてしまった玉龍は…◆

こうして大地には一滴の雨も降らず、穀物は枯れ、人々は食料も水もなく苦しみました。天の川を管理する玉龍がこの様子を見て同情し、雨を降らせました。

地上の人々は大喜びし、感謝しました。しかし玉皇大帝は大いに怒り、玉龍を下界の山に閉じ込めてしまいました。そして山に碑を建て、「玉龍は天の掟を破って雨を降らせた。罰として千年、地上に閉じ込める。再び天上に戻れるのは、金豆の花が咲く頃のみ」と記しました。

人々は、降雨の恩に報いるため、何とかして玉龍を救い出そうとしました。しかし金豆がどこにあり、いつ花を咲かせるのかは誰も知りませんでした。

2年目の2月1日、ある老婆が袋を背負って市場へやって来ました。「金豆はいらんかね〜」 これを聞いて人々は、老婆のもとに殺到しました。袋の中身は黄金色のトウモロコシの粒でした。

トウモロコシが金豆ならば、それを炒ればきっと花が咲くに違いないと考えた村人たちは、いっせいにトウモロコシの粒を炒りました。

翌2月2日、人々は炒ったトウモロコシを持って、玉龍が閉じ込められた山にやってきました。玉龍は金豆が咲いたのを知ると、大声で、「太白老人、早く俺を出してくれ」と叫びました。

もともと玉皇大帝の仕打ちに賛成でなかった太白金星は、玉龍を山から出してやりました。すると玉龍は頭をもたげて天空へ舞い上がっていきました。そして干上がった大地に恵みの雨を降らせたそうです。

このことがあってから、毎年陰暦の2月2日になると、トウモロコシを炒って花を咲かせ、降雨を祈るようになりました。龍が頭をもたげ雨を降らせるということで、2月2日は「龍擡頭(ロンタイトウ)」という年中行事の日となりました。