ブッダの龍退治:インド

菩提樹の下で悟りを開いたブッダは布教活動のため、ウルヴェーラーという地にやってきました。そこにはウルヴェーラーカッサパ、ナディーカッサパ、ガヤーカッサパという3人の兄弟がいました。彼らはジャティラと呼ばれる髪を結い上げた姿の出家修行者であってそれぞれが大勢の弟子を抱えていました。


◆龍退治に感服した三兄弟はブッダの弟子になりました◆

ブッダはそのうちの一人ウルヴェーラーカッサパの住処を訪ね、その採火堂で一夜を過ごさせてほしいと頼みました。ウルヴェーラーカッサパはブッダに対して「偉大なしゃ沙門よ。お泊りになるのはかまいませんが、そこには凶悪な陣痛力と猛毒を持つ龍王が住んでいます。それが危害を加えなければよいのですが…」と言ってやんわりと制止しました。

しかしブッダは、「私のことなら心配いただかなくても大丈夫ですよ」というので、ウルヴェーラーカッサパはとうとう「ならばご自由に」と言ってこれを認めました。

その夜、採火堂でブッタが草の敷物を敷いて足を組んでいると、侵入者を不愉快に思った龍が現れて煙を吐き出しました。ブッダは慌てることなく、こちらも神通力を現して煙を吐き出しました。

これを見た龍は烈火のごとく怒りだし自分自身を燃え上がらせました。すると、ブッダも火界の精神集中によって燃え上がりました。瞬く間に、採火堂はまるで火事になったかのようにまばゆく輝きだしました。

この様子を見ていたジャティラの徒たちは、「ああ、あの男前の沙門も龍にやられて一巻の終わりか」と言い合いました。ところがブッダは翌朝、その龍の体を傷つけることなく、持っていた鉢の中に閉じ込めて採火堂から出てきました。

ウルヴェーラーカッサパは「これは驚いた。この大沙門は大変な神通力を持っているようだ。しかし我々兄弟には及ばない」と言って負けを認めようとしませんでした。

しかし、この後も次々と神通力を現したブッダに対して、ついに降参して弟子入りを志願しました。自分たちの師匠がブッダの弟子になったことを知って、その使徒500人も一緒に弟子となりました。

下流に住んでいたナディーカッサパ、ガヤーカッサパも事情を知ると、ブッダの弟子となりました。こうして仏教教団は飛躍的に人数が増え発展したのだと言い伝えられています。